O企画代表 笹井保よりごあいさつ
心まで温かく。戦後のセーターづくりで四苦八苦
戦後間もない1947年、O企画の前身となる工場が産声をあげました。
父である先代の笹井寅之助が、戦後の圧倒的な物資不足の中、せめて「服で心も温かくなってほしい」と願い、婦人物のセーターを作り始めたのがすべてのスタートでした。
しばらくの間は小売店からの受注に対応する形でした。
セーターという商品の性格上、冬だけに稼働する、いわゆる季節労働的な仕事の状態でもあり、経営は長い間、楽なものではありませんでした。
時は流れ、女性が華やかにおしゃれを楽しめる時代がやってきます。
私は高校生の頃から父の工場を手伝うようになりましたが、セーターづくりの基礎を習うどころか、見よう見まねでなんとかついていける状態。
父は決して技術を息子に親切に教えてくれるような人ではありませんでした。